外壁塗装に適している目安の年数は、一般的には「築10年くらいから」または「前回のリフォームから10年後くらい」とされています。
しかし、これらの年数はあくまで目安で、住んでいる地域環境や個々の住宅の状況によって異なる場合があります。
外壁材も塗料も性能が進化しているので、10年以上塗装が必要ない場合もあります。
自己判断だけではタイミングはわからないので、専門業者に見に来てもらいましょう♪
外壁塗装の最適な時期とは?
外壁塗装の最適な時期は、次の3つの要素によって決まります。
塗料の耐用年数:
使用されている塗料の種類によって塗装の耐用年数は様々です。
外壁の劣化症状:
外壁の状態をチェックし、劣化状況を確認しましょう。
外壁の素材:
使用されている外壁の素材によって、塗装が必要かどうかを判断する必要があります。
以上の要素を考慮して、外壁塗装の最適な時期を判断することが重要です。
塗料の種類と耐用年数
塗料の種類ごとの耐用年数の目安です。
- アクリル塗料: 3〜8年
- ウレタン塗料: 5〜10年
- シリコン塗料: 8〜15年
- ラジカル制御形塗料: 12〜15年
- フッ素塗料: 12〜20年
ただし、これらの耐用年数は一般的な目安であり、実際の耐久性は様々な要素によって影響を受ける可能性があります。
建物がある地域の環境や気候条件、塗料の品質や施工方法なども耐久性に影響を与える要素です。
塗料の耐用年数は参考になりますが、具体的な塗り替え時期は建物の状態と観察によって判断することが重要です。
一般的な住宅の外壁塗装では、ウレタン塗料かシリコン塗料がよく使われてきました。そのため、約10〜15年程度で塗り替えの目安と言われています。
塗装のタイミングを逃して外壁が損傷したり、雨漏りが発生したりすると、住宅が腐食の危険にさらされます。 家の構造体が腐食してしまうと、外壁塗装よりもはるかに高額なリフォーム費用が必要になる可能性があります。
そのため、外壁塗装は塗膜が機能を失う前に塗り替えることが基準となります。
こんな症状が出たら、塗り替え時期のサイン
塗膜の劣化サインは、塗り替え時期を判断するヒントになります。以下に、外壁の塗り替えが必要な劣化症状を紹介します。
ぜひ、自宅の外壁に該当する症状があるかどうかをチェックしてみてください。
- 色あせ: 紫外線の影響で塗膜の色が褪色してくる。
- 艶がなくなる: 紫外線や風雨の影響で塗膜の表面の光沢が失われる。
- コケ: 塗膜の防汚性能が低下し、苔が生える。
- チョーキング: 塗膜の成分が劣化し、白い粉(顔料)が表面に現れる。
- 塗膜の浮き・はがれ: 塗膜が外壁から剥がれている状態。
- シーリングの切れ: サイディングの接合部の充填剤が硬化して割れている。
- クラック: 外壁にヒビが入っている。
これらの症状が現れた場合は、塗り替えを検討しましょう。特に塗膜の浮き・はがれやシーリングの切れ、クラックは早急に対応してほしいです。
劣化症状を放置すると、外壁が受けるダメージは増える可能性があります。
さらに、紫外線によく晒される住宅では、屋根の劣化も速く進む傾向があります。屋根の状態は直接確認するのが難しいかもしれませんが、心配な方は外壁塗装の見積もりを作成する際に、屋根の状態も確認してもらうことをおすすめします。
外壁材による違い
外壁材の種類によって、メンテナンスのタイミングや方法は変わります。一般的な外壁材の塗替え時期は次の通りです。
窯業系サイディング:7~10年
金属系サイディング:10~15年
木質系サイディング:8~12年
モルタル:8~10年
タイル:なし
サイディングは日々進化しているので、あくまでも目安です。
外壁塗装の見積り項目
一般的な外壁塗装の見積もり項目は、以下の7つのようになります。
- 塗装の費用: 実際の外壁塗装工事の費用です。
- コーキングの費用: 外壁のシーリングや接合部の補修や交換の費用です。
- 補修の費用: 外壁に存在する傷やひび割れの修復や処理の費用です。
- 足場の費用: 工事の安全性を確保するために必要な足場の設置費用です。
- 高圧洗浄の費用: 外壁の汚れや古い塗膜を除去するために行う高圧洗浄の費用です。
- 現場管理費: 工事の進行管理や現場の監督を行うための費用です。
- その他諸経費: その他、特殊な工程や必要な材料、手配費用など、工事に関連する追加の費用です。
こちらの内容は塗装業者や地域、工事内容によって差異がある場合があります。見積もりを依頼する際には、明確な項目と費用を含んだ見積書をもらい、詳細を説明してもらうようにしましょう。
納得できるまで、説明してもらいましょう♪
外壁塗装の全工程
外壁塗装には、塗料を塗る作業以外にも多くの工程があります。一般的な外壁塗装の工程は次のようになります。
【外壁塗装の工程表】
塗装工事の1~7日前:ご近所さんへ外壁塗装実施の告知・挨拶をご近所さんに行う。
塗装工事の1~2日目:家の周囲に鉄パイプ製の足場を設置する。
塗装工事3日目:外壁表面の汚れを高圧洗浄機で落とす。
塗装工事4日目:塗料を塗る予定の箇所以外をビニールシート等で覆う。
塗装工事5日目:外壁の穴やヒビを埋めたり、研磨する作業を行う。
塗装工事6日~7日目:下塗り。塗料の密着を良くする下塗り液を塗る。
塗装工事8日~9日目:中塗り。色のついた塗料を塗る(1回目)。
塗装工事10日~11日目:上塗り。色のついた塗料を塗る(2回目)。
塗装工事12日目:チェック・引き渡し。家の住人と一緒に仕上がりや不備を確認する。
塗装工事13日目:足場の解体。足場を撤収し、元の状態に戻す。
外壁塗装全体の工程は約2週間(業者休業日を除く)かかることが一般的です。各工程の期間は、塗装業者や工事の規模、天候によって異なります。
建物の劣化が著しい場合や補修が必要な箇所が多い場合は、補修に数日以上かかることもあります。せっかく足場があり、普段は届かない高い所を補修できる良いタイミングなので、丁寧に作業を行ってもらいましょう。
詳細で具体的な工程は、塗装業者との相談や現地調査によって決定されることが一般的です。
工期は短ければいいってものではありません。安全に丁寧に、良い仕事をしてもらいましょう♪
下塗りとは?
下塗りに使用される塗料は、一般的に以下の3種類に分類されます。
- プライマー(下地処理剤): プライマーは、塗装面の密着性や耐久性を向上させるために使用される下地処理剤です。主な役割は下地の吸水性や防水性を調整し、塗料の密着力を高めることです。また、プライマーは下地の色ムラを均一にするためにも使用されます。
- シーラー(密着剤): シーラーは、下塗りの際に塗料と下地の間に均一な密着を実現するために使用される塗料です。主な役割は下地の凸凹やヒビ割れを埋め、均一な塗装面を作り出すことです。シーラーは下塗りの仕上がりや耐久性を向上させるために重要な役割を果たします。
- フィラー(充填剤): フィラーは、下地の凸凹やキズ、ヒビ割れを埋めるために使用される充填剤です。主な役割は下地を平滑化し、均一な塗装面を作り出すことです。フィラーは外壁の平滑性や美観を向上させるために重要な役割を果たします。
これらの下塗り塗料は、外壁の下地状態や塗装の目的に応じて選ばれ、下塗り工程において塗料の密着性や耐久性を向上させる役割を果たします。
必要に応じてサビ止め効果のあるものを選び、サビ対策をしましょう♪
まとめ
もし今すぐに塗装をする予定がなくても、お家の状況を知っておくことはいいことです。それによって、お家を良い状態に保つ期間を長くすることができます。その結果、大きな修理をしなくても長く快適に住むことができますし、メリットもたくさんあります。
塗装について詳しく知っておくことで、急に塗装を勧められても慌てずに対応することができます。外壁塗装には100万円前後の高額な費用がかかりますが、計画的に備えておくことは無駄ではありません。
最近は原料の価格も上昇しており、塗料の値段も高くなっているので、より適切なタイミングと相場を知っておくことが大切です。
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